【完】こいつ、俺のだから。
体育祭実行委員とか正直めんどいと思ったけど、楢崎と一緒ならなんとかなりそうだ。
むしろ楽しそう。
「あ、そうだ。このプリント、選手の名前書いて提出だよな」
そう言って、楢崎は手に持っていたプリントを見た。
「それ、放課後までだよね」
「だな。今日お前、残れるか?」
一瞬、佐野が思い浮かんだ。
「大丈夫大丈夫!」
けどすぐに笑って答える。
直後、
「おい、ブス」
背後から聞こえたそんな声に振り向くと、眉をひそめて不機嫌そうな佐野がいた。
そしてなぜか、あたしと楢崎の間に割って入ってくるように立つ。
「なに、佐野?そこ邪魔なんだけど」
「うるせー黙れ。てかお前なに実行委員なんてなってんだよ。ばっかじゃねぇの」
なんだこいつ。
ものすっごく、機嫌悪くない?
気のせいか?