無口なアオくん
「じゃーまず自己紹介!」
担任の先生は
入ってくるなりそう言った
あたし……
こうゆーのすごい苦手なんだよね
恥ずかしさですぐ顔が赤くなっちゃうから
自己紹介は席順でやっていくことになった
一人、また一人と終わっていくけれど
あたしは自分の番のことを考えると
みんなの自己紹介なんか全然頭に入ってこなかった
そして前の席の人まで順番が来る
あ、そういえば名前…
「田中アオです」
それだけ言って
彼はすぐに自分の席に着いてしまった
田中…アオって言うんだ
なんかピッタリ…
「おい!次の奴!」
先生の声ではっとする
そうだ!次あたしの番だった!
「たっ…高橋ユメです!よろしくお願いしますっ」
あ、ちょっと勢い余った?
周りの人にすっごい見られてる、気がする
うぅ、やっぱり苦手だ…
あたしはやっぱり顔を赤くして
自分の席に着いた