引き籠もりの双子の姉を救った俺。
「…相沢朋恵様でお間違えないでしょうか?」
お母さん名義で通販を利用したため、
お母さんの名前の『朋恵』で確認される。
「はい」
「こちら…、印鑑お願いします」
おにいさんは、ダンボールを抱え、
私に印鑑の位置を見せてくる。
私は用意するのを忘れてしまった印鑑を、
利便性から靴箱の上に置いてあることを
知ってたので、そこから慌てて取った。
「…はい」
「ありがとうございました!
では失礼します」
荷物を受け取り、玄関のドアをしめて、
鍵も音を立てないようにかける。
この荷物の中身は、新たな参考書や筆記具と、
あと、私なりの“美容道具”だった。