引き籠もりの双子の姉を救った俺。






「広樹くん…ありがとう。
宝物になっちゃった」




そのあとすぐに店を出て、
商業施設1階の広場にある
ベンチに腰掛けた。




「宝物?」




「うん、大切過ぎて着けられないよ…」




シュシュの入った袋を抱き締めるような
仕草をしてそう言う。



ガチで言ってるらしい。




「着けなきゃ意味ないだろ」




俺は笑いながら言った。




「えぇー?」




「あー、開けていい?」




シュシュの袋を由紀から受け取り、
買った人の特権でシュシュを取り出す。



値札を引き千切ると、
由紀に、俺に背を向けるように言った。




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