引き籠もりの双子の姉を救った俺。
「電話だ」
テーブルに置いてある
広樹のスマホが振動する。
チラリと見えたけど
“由紀”って…。
「あー、ちょっと出てくる」
食べかけの蕎麦を置き、
スマホ片手にリビングから
出て行ってしまった。
「彼女かしらねぇ?」
テレビを見てた惰性なのか否か、
ニヤニヤしているお母さん。
「そういう年頃だろう」
お父さんも、なんか微笑みを浮かべてる。
数分しても広樹は戻って来ず、
長電話になりそうだ。
その間も私たち三人は、
うどんや蕎麦を啜りながら
テレビを見ていたのだったが…。
「美穂」
お母さんが、お父さんに目配せしてから
テレビを消した。