引き籠もりの双子の姉を救った俺。









「っ…!っ…!」




く、唇が…。ひろ、きの…唇が!




私の、唇に押し当てられてる…!!





なんとも言えない感触に
脳内はオーバーヒートする。

心臓も、色んな意味で暴れ出す。





こんな時、
身体は思うように動かないもので…

数秒間、そのままだった。






───微かに感じるシトラスの香り。





それに酔う寸前


至近距離にある広樹の目が開かれた。




ボーッとしたものから、

あるはずのない顔を見た、
驚きに満ちたものへ、変わる。





その時、ようやく、唇は離れた。







お互い、声が出ない。





私はベッドから転げ落ちるように降りて
うまく立てないから座ったまま後ずさる。






「ごめ…ん」








「なんで…」




間違えたのよ。


ヤナギダさんと。



バカっ!!!







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