引き籠もりの双子の姉を救った俺。
……いつ、と言うと
漠然とした答えしか出ない。
小3、男子にからかわれ、
結いてた髪の毛をほどかれてしまって、
あなたがそれを丁寧に、
結き直してくれた時。
小5、私が道端でこけて怪我をして、
そんな私の肩を支えて
一緒に歩いてくれた時。
小6、近過ぎる私たちのことを
色恋沙汰だと馬鹿にされたのに対し
怒って言い返してくれた時。
中2、仲が良かった男子に告白されて
それに怒った女の子に私が叩かれたのを
私のために、
手を上げそうになるくらい怒って、
守ってくれた時。
きっと、どれも決定的ではなくて…。
蓄積されてきた優しさと
間々感じたときめきが、
恋、と呼べるものに
成長していったのだろう。