引き籠もりの双子の姉を救った俺。





小さくて、よく聞き取れなかった。


なに?と聞き返そうとした時。





「私だって好きなのに」





えっ、美穂って、
由紀のことが好きなの…?



と最初は思った。





しかし、裏付けるように、
美穂はこう付け足した。





「私、だって…広樹のことが」





流石に、言いたいことは分かるが、
冗談、だろ…?



最近前と比べて明るくなったし、
時たま冗談も言うことはあった。






美穂が不意に顔を上げた。




頬を赤く染めて、涙目になっていた。







「あっ、え、美穂?」




「っ、ごめん私の馬鹿馬鹿っ」




すぐに美穂は、ハッとしたのか、
わなわなと震え始めた。

さっきとは打って変わり、顔面蒼白で。





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