引き籠もりの双子の姉を救った俺。






「言うつもりじゃなかったのに馬鹿…」




美穂は泣き出しそうで、
冗談だと言ってくれと思った。

切に願う。





食卓に気まずい雰囲気が流れる。




「出来たわよー」




その途端、母さんの陽気な声が
リビングに近づいてきたので、

救世主かと思った。




ホカホカの白米と

シチューに合わせてか、
シンプルな野菜炒めが、新たに並べられた。



4つ分配置されたので、
珍しく父さんが早く帰ってくるようだ。



母さんも、鼻歌を歌っていて
機嫌が良さげに見える。




「あら?どうかしたの?」





母さんは、
俯く美穂と、しかめっ面の俺を見て
ハテナマークを浮かべた。









気まずさが残る食卓。



こうして俺は、双子の姉、
美穂の気持ちを知った。






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