引き籠もりの双子の姉を救った俺。
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すっかり夕暮れの駅前。
李人くんは、ファミレスを出た後
スーパーの買い物まで付き合ってくれた。
その際、冗談か否か分からないけど、
バレンタインの材料を買った私に対して
『作ってくれる?』と言った李人くん。
どうしましょう。
スーパーの後、家まで送ると言われたが、
そこは断固拒否。
2つ隣の駅に住んでいると聞いたので
面倒になってしまうから。
「あ、そうだ、line交換しよう」
思い出したようにスマホを差し出してくる。
「はい、オーケ〜。
今日は、無理言ったのにありがとね。
また誘ってもいい?」
「そんなことないですよ…!
こっちこそ、ありがとうございますっ。
全然ダイジョブです」
正直、李人くんとの時間は楽しかった。
紳士な対応で、
会話も途絶えることはなかった。
でも、李人くんはどうだろう。
私が人見知りだから話続けるのに疲れたかな。
“また誘ってもいい?”
と言っているが建前で、つまんない私とは
もう二度と会う機会がないかもしれない。
私は、胸のざわめきに首を傾げる。