引き籠もりの双子の姉を救った俺。
それから程なくして、2月14日、
そうバレンタインデーがやってきた。
美穂は先日のチョコを作ったらしく、
バレンタイン用のかと思ったが、
結局、クッキーを新たに作った。
凝り出すと最後まで貫くタイプだからかな、
めっちゃ張り切っていた。
美穂がひとりで外に出て買い物をしたなんて、
大きな進歩だと思う。
脱引き籠もりの兆しが見えてきた。
「ひ〜ろきくん!」
「うわっ、…ビビった。
由紀、おはよ」
俺は教室の机に頬杖をついて
ボーッとしていたのだが、
由紀が後ろから驚かせてくる。
それに対し、振り向く俺は、
絶句した。
同時に、感嘆の息が漏れる。
「だんごだ」
「えへへ〜」
由紀の髪型は珍しく、
お団子ヘアーに整えられていた。
よく見ると所々ピン留めがされていて、
それも可愛い。