引き籠もりの双子の姉を救った俺。
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「美穂…美穂?」
優しく、低めの声が聞こえた。
私はガバッと上体を起こし、
声の主を見る。
円な瞳に、位置の高く、筋が綺麗な鼻。
お母さんに似ている、厚めで
なんだかセクシーな唇。
弟の広樹だった。
私はご飯を食べたあと、
食器を片付けもせずに
そのまま机につっぷして寝てしまったのだ。
「あっ…。おかえり」
リビングの時計を見ると、5時前だった。
「こんなところで寝てたら風邪ひく。
ただでさえ……。あ」
たぶん、
引き籠もってて免疫下がってるんだから
とか言いたかったのだろう。
でも広樹は途中で口を止める。
「いや、なんでもない。
美穂ノート買ってきたよ」
腕に下げた袋から透けて、
A4版のノートが見えた。