引き籠もりの双子の姉を救った俺。
広樹の怒鳴り声。
そりゃ怒る。
情けない姉に対して、
最低な態度に対して…!
「急に引き籠もったって、
全然、分かんねぇよ。
理由くらい…」
「…っ、うるさい!
広樹にはなんも分かんないよ…っ!」
私も、声は小さいけれど怒鳴ってしまった。
6ヶ月間、私と広樹は必要最低限の言葉を
交わすことしかなかった。
久し振りの衝突だったと思う。
「そんな生活してて幸せなのか?」
「私は…私にはネットさえあればいいの!
もうそれで幸せだからぁ!」
バタン。
部屋に入り、扉を閉めて、
その場にしゃがみこむ。
メガネを外して床に置き、涙を流す。
扉1枚を隔てた向こうから
小さく聞こえた声を無視して。
「なんでだよ、美穂…」