引き籠もりの双子の姉を救った俺。




タン、と新たなおかずの乗った皿が
テーブルに置かれる同時に、
広樹がリビングに入ってきた。




「あれ?サンマって言ってなかったっけ」




広樹が少し残念そうに言う。




「実家から野菜が届いたのよ。
おすそ分けって。サンマは明日辺りね」




「へぇ、そうなんだ。

すごいよな、おじいちゃんたち。
八百屋たたんで、転身で 農業って」



広樹が祖父たちのことを言う。




今、おばあちゃんとおじいちゃんは、

八百屋をたたんで
すっかり寂れてしまった母の故郷、田舎で


農業をしている。




詳しくは分からないけど、
色々な野菜が送られてくるので


お母さんは食費が助かる、
と言っていた。




< 46 / 263 >

この作品をシェア

pagetop