引き籠もりの双子の姉を救った俺。
「さ、食べましょー」
母はエプロンのまま、
広樹は学ランのまま、
椅子に腰掛ける。
配置的に私と広樹は隣で、
向かいにお母さんとお父さんとなっている。
お父さんは仕事で夜遅いので、
あまり一緒に食べられない。
「いただきます」
3人ほぼいっしょに手を合わせた。
お母さんと広樹が
会話を続けなかったのもあり、
その日の食卓は、とても静かだった。
お母さんは、
私が広樹と急にすれ違ってしまったことに
勿論気付いていると思う。
でも、聞いてこない。
これは、優しさでもあり、
自分たちでなんとかしなさいという
ある種厳しさでもあるのかな、
と私は思う。
引き籠もり始めて半年ちょっとだけど、
それに対しても、一度理由を聞かれたきりで、
その話題に触れてこない。
でも、私のせいで、
お母さんもお父さんも、広樹も困ってる。