引き籠もりの双子の姉を救った俺。
「そんな急に外とか言われても、困るよな。
つい、カッとなっちゃったんだあのとき」
私は、広樹がそれを気にしていたことに驚く。
だって、私だったら、
あんな意味不明なムカつく態度されたら、
相手が困るとか、
そんな風には考えられないから。
「でも、美穂」
ためらうように、でも、と続ける。
私は金縛りになったみたいに、
身体が動かず、声すら出なかった。
「外に出ようと、努力してみてほしいんだ」
そんな言葉をかけられて、
情けない気持ちでいっぱいになる。
「もちろん、美穂ひとりでじゃないよ」
声が出てこないよ。