引き籠もりの双子の姉を救った俺。






『正直、困惑…びっくりすると思う。
あ、僕の妹には、全然、彼氏いるんだけどね。


特に、米ビーフンさんの場合、
途中から兄ができたわけだから、
ひとりの男性、として
見ちゃったのかな?


気持ちを諦めるのって
すごく大変なことだよね』




キリさんの口調が、段々真剣になる。


似たような経験があるからかもしれない。




『本気だから、ね。

僕が米ビーフンさん側の立場だったら、
言っちゃうと思う、好きって。


言ったほうが、諦めなきゃいけない
って気持ちが強まるからね。
今、自分を否定して、気持ち押し殺すより

言って、思いを晴らして、
そんで諦めるほうが

ずっといいと思うよ。


言えなくても、自分が彼を好きっていう
気持ちを認めてあげて下さい』




「っ…」




その回答を聞いてる米ビーフンさんは、
どう思っているのだろうか。




気持ちを認める…。



私の中の、半年前から消えてしまった灯りに、
再び、火が灯された。




気づいたら涙が溢れていて。



私に対する回答じゃないのに…。




< 95 / 263 >

この作品をシェア

pagetop