タッチで恋愛!魔法大会トリスト
「…よかった…。」
凰くんの口から発せられたのは、あまりにも意外な言葉だった。
「先輩も、同じなんですね。やっと…仲間が見つかりました。」
「仲間…?」
「俺…本当は一度も魔法を使った事がないんです。」
「え?でも、シーは凰くんの魔獣だよね…?」
「アイツは、俺が生まれた時から何故かここにいるだけです。実際召喚してなんかいませんよ。」
にわかには信じがたい言葉だった。凰くんは、魔法を使わずに生きてきたのだ。なのに、魔法学園にいるし、おまけにトリストチームにいるなんて…。
「…!」
何で騙したのよ、という言葉は、口にできなかった。私も、同罪だから。
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