タッチで恋愛!魔法大会トリスト
「別に怒っていいですよ。先輩のはしょうがない事だけど、俺のは勝手にやった事ですし。」
そう言われると、余計に怒れなくなる。
「俺…嬉しかったです。先輩にも正直に言ってもらえて、俺も先輩に正直な事を言えて。」
返す言葉が見当たらない。
「ありがとうございました、先輩。」
言葉の代わりに、涙が出た。何で、こんなに凰くんは優しいんだろう。何で、私は今まで言えなかったんだろう。仲間は、すぐそばにいたのに。
「…秘密にしといてね、凰くん。トリストに出れなかったら、私…。」
頑張ってきた事の意味が見当たらなくなるから、と言う前に、凰くんが言った。
「俺のも秘密ですよ?」
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