タッチで恋愛!魔法大会トリスト
「うっ…!」
凰くんが意識を取り戻した。
「凰くん!」
「あ、先輩…?」
その時、シーに続き新先輩も状況を理解したようだった。
「おい、結乃、お前まさか…禁忌の魔法…使ったのか?」
「…死んでほしくなかったんです、私のために…!」
「おかしい…何で死なないんだ…?いや、これもインファントムの影響か…。」
「…結乃先輩…俺のために…?」
「…これ以上、苦しむ姿を見たくなかったの。見てられなかったの。だから…。」
「そんな…。」
凰くんが、絶望したように全身の力を抜いた。さっきはあれほど離れなかった手が、今はするりと離れる。
「手を離すな、宇佐木!」
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