紙ヒコーキ~思いを飛ばせて~
「優羽っ…大丈夫だから…」

私は康太の温もりに包まれた。

先生はただ…ただ…遠くから私と康太を見つめていた。

────────────────

「…………」

暗い中、私は天上を見る。

夜の11時。

眠れない…。

先生と康太は違う部屋で寝ている。

手を伸ばしても…

届かない…。

全て…届かないんだ…。

お父さんとお母さんだって…

《あなたのせいじゃない!》

《お前が悪いんだろう!?》

《おと…さん…おか…さん…喧嘩しない…で…》

ほら…届かないんだ…。
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