紙ヒコーキ~思いを飛ばせて~
「飛ばせ」

「えいっ」

紙ヒコーキは不思議な程、高く飛んだ。

「すっきりしたか?」

「うんっ♪すっきりしたぁ!」

お兄ちゃんはそうかって言って芝居に寝転んだ。

私も真似て寝転んだ。

「優羽…」

「ん?なぁに?」

お兄ちゃんは限り無く広い空を眺めている。

「お兄ちゃん?」

「いつしか…本当は消えて無いって気付く日が来るんだ」

お兄ちゃんの瞳はちょっと細くなって一筋の涙が溢れた。
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