紙ヒコーキ~思いを飛ばせて~
大量に出血してて……………

息をしていない……………

「優羽………」

お願いだ……返事をしてくれよ?

「あれをっ…!誰か救急車を呼べ!」

「キャー!!!」

周りはざわついている。

「優羽っ…優羽………ごめんな…守れなくて………」

守るって決めたのに…。

飛ばすって…約束を…。

「ゆ…う…」

いつも願ってた。

優羽が幸せになれ…と。

高校生の時に思ってた。

何であの子の瞳は悲しそうなんだって…。

紙ヒコーキを見て思った。

あいつはあんなに苦しく…苦いモノを背負ってるんだって…。

本当は気付いてた…。

優羽は…昔の…あの小さな女の子だって……………。


「お兄ちゃん~!遊ぼー!」

君はいつも急に現れて…。
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