紙ヒコーキ~思いを飛ばせて~
「また会う時も紙ヒコーキが目印だからな」

俺は…紙ヒコーキを見る度に優羽を思い出すよ。

「先生………ふぇっ」

優羽の羽がバサァと羽ばたく。

「先生…また会おうね…」

「あぁ…また会おうな。」

俺が死ぬ時はいつかは分からない。

優羽…だからな?

ちゃんと待っててくれよ?

俺の事、忘れんなよ?

フワァ

羽に包まれる。

気持ち良い。

優羽の羽は…こんなに優しいんだな。

優羽がそのまんま、羽になったみたいだ。

俺は一つだけ…羽を掌で包んだ。

俺の羽だ…。

俺の優しい羽………。

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