紙ヒコーキ~思いを飛ばせて~
優羽は石になったように動かなくなった。

「ずっと…好きだった…目印の紙ヒコーキを見る度に………」

胸が痛んだんだ。

「優羽の…羽が…ずっと側にいてくれてた…」

俺はポケットから携帯を取り出した。

携帯には…今も昔も変わらずに羽がついてる…。

「優羽…俺の事…思い出せないか?」

優羽の指と自分の指を絡ませた。

…この指が…絡まる時…。



「せんせ…愛してるよ…」



いつも思ってたの…。



いつになったら…先生と巡り合えるんだろう…と。



天使になって気付いた。


人間は惨いモノだって………。



悲しいモノだって………。



でも………
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