紙ヒコーキ~思いを飛ばせて~
「つか、いきなりどうしたんだよ?」

先生は私の髪をくしゃくしゃにしながら問う。

「え…あ…」

ドクンッドクンッ

と、心臓が動く。

「ぁ…ぃゃ…」

「春川…?」

「おい!優羽?」

もう無いモノ…。

無いモノな筈なのに、新鮮にあの出来事を体が刻み込んでいる。

「ごめんなさい…ごめんなさい…」

私は自分の体を抱き締めた。

「春川!!おいっ!」

「ゃだ…ごめんなさい…ごめんなさい…」

涙が溢れる。
< 98 / 285 >

この作品をシェア

pagetop