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価値観の相違は仕方ない。
そんなの、わかってる。

とにかく、今のこの沈黙は心に響く。
ちょっと、苦痛だ。


顔は、上げられないまま。

しかも、いろんな感情がごちゃごちゃと巡っていて、気持ち悪くなりそう。

それでも耐えるしかないので、ぎゅっと目を瞑って彼の言葉を待っていると、彼がぼそぼそと何かを呟いた。


思わず顔を上げると、これは夕日のせいだから、なんてベタな言い訳がお互いに出来そうな状態だった。



いや、でも、ちょっと待って。

それって……───?





「あ…、とりあえず、ありがと」
「どういたしまして」
「えっと……」
「ん、」
「今日部活終わり5時だから、良かったら待ってて」
「わかった、待ってる」
「体、冷やすなよ」
「……気を付けます」



あぁ、幸せだ。
なんて感じると、自然と笑顔になれた。

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