貴方を忘れない
「とにかく
一度でいいから
付き合って見て欲しいんだよ
お試しでいいから!」




「…。」




しばらく
何も言わないまま
画面が止まった。

そりゃ、突然
こんなに捲し立てられたら
誰でも言葉に詰る。



15分程沈黙が続いて
久々に画面が動くと
そこには



「考えるわ」



と、一言だけ書かれていた。




「よろしくお願いします」
と、言ったかどうかは
記憶が曖昧。

けれど
伝えたい気持ちを
全て言い切って
後は待つだけとなった事で
今度はどうしようもない
絶望感でイッパイになった。

もしもこれで
無理だと言われた時
私はもう
『海賊団』に戻る気力はない…

その時
私は何を支えに
毎日過ごせばいいんだろう。

それは
『海賊団』に通い初めて
3か月程経った頃だった。


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