貴方を忘れない
休暇とは言え
もらった休みは
たったの二日
朝目覚めたら
もう離れなきゃいけない
必ずまた
会う約束をして
今度は
私が彼の地元まで
会いに行くからね…と
くっついて眠った
翌日、朝方まで
話していたせいで
起きたらもう
お昼も近くて
まだグッスリ寝ている彼を
起こそうと思ったんだけど
頑張り屋さんの
ボロボロの手や
日焼けした肌を見ていたら
起こせなくなってしまって…
どこへも出かけられず
しばらくして
彼が起きてからも
二人で部屋で過ごして
時計の針が進む事に
気付かなければ良いと
心の中で何度も祈った
それでも勝手に
日が傾いて
彼が、出稼ぎ先に
帰る時間…
「夏休みには
必ず、行くから…
向こう着いたら
電話ちょうだい?」
放したくない手の
指を、一本ずつ
必死で剥して
彼を見送った。
会っていなかった頃より
彼の存在は確実に
近いものになったけれど
そのせいで
会えない距離や時間
会いたい想いや淋しさ
全てが倍に
倍以上に膨らんで
一人で過ごす時間が
とても、痛かった。
高校生活も
友達はたくさん居たのに
満ち足りなくて
ここに彼さえ居てくれれば…
毎日、彼ロス症候群。