貴方を忘れない
二人きりで過ごす
初めての夜
お風呂を借りながら
色んな事を考える。
『Hはするよね…』
『嫌われたりしないかな』
『ヤリ逃げされたり?』
『でも私、多分愛されてる』
『多分??』
あがると
彼も「風呂入るわ」と言って
浴室へ行った。
ドキドキしながら
布団の上に座って
彼のシャワーの音を聞く。
夢見た一瞬が訪れる
頭を拭きながら
大きく溜め息をつき
彼が、あがってきた。
「…おかえりぃ?」
「ん?おぅ。」
なんと言えば良いのか分からなくて
変なお出迎えをしてしまう私。
缶コーヒーを飲みながら
二人で沈黙する。
沈黙に耐え切れず
来るまで新幹線が暇だった事や
さっき食べた冷やしラーメンが
思ったよりおいしかった事
移動で疲れた事や
猫がかわいいとか。
一人でたくさん話してる内に
彼が、立ち上がる。
ドキっとして見上げると
襖をあけて、ゴソゴソ…。
なんか探してる?と思ったら
一枚のTシャツを取り出した。
私が、以前プレゼントしたTシャツ。
それを、着はじめる彼。
「お前が来た時着ようと思ってて、新品」
フワフワと
幸せになって
照れくさくて
俯いて笑う