貴方を忘れない

彼女は
『ヨチヨチ』してくれる人を
求めて居たようで
それは
悪い事ではないのだけれど
『船長』というキャラクターを持ち
幼い頃から
自立せざるを得なかった彼（この事については後ほど）には
程遠いポジションを
期待していたようだった。

別れたと聞いた後
私は
彼が来るまでの時間を
やり過ごしながら
何を話そうかと
考えて居た。



そしていざ彼が来た時は
頭の中は真っ白になった。




とにかく何か言わなきゃ。ただそれだけ。




「聞いたよ。」
「あぁ。」

いつもは饒舌な彼も
あまり喋らない。

しばらくすると
彼の方から
話し出した。

「なんか
しゃーないなって感じだわ。
もうぜってぇ
ネットで知り会ったヤツとは
付き合わねぇ（笑）」





ガーーーンΣ(￣□￣；|||



まさに『ガーン』だった。

少なからず
チャンスが来たと
思っていたにも関わらず
行動する前に
切り捨てられた状態。

「でも
うちはありだと思うけど？
今回だけで
そんな判断しなくても…」

「いや
やっぱ側に居られんとダメだろ。
遠距離とか。
オレには無理だわ（笑）」





ガーーーンΣ(￣□￣；|||




起死回生を計るには
まだ早いと悟った私は
また明日
夜話す約束をして
その場を後にした。