貴方を忘れない
少しずつ
別れた時の話や
今の気持ちを
教えてくれたけれど
私はその内容を詳細まで
覚えておく余裕も無かった。
もう
どう切り出そうか
必死だったからだ。
一つだけハッキリと
覚えてるのは
彼が
痛みを感じないように
笑っているのだと
いつもの画面を見ていて
感じた事。


「あのさ
もうネットでは
恋愛しないって言ってたよね。」

「あぁ。」

「でも
うちは
船長が好きなんです。」

その後は
何か切替えされる前に
言い切らねばと
その頃の最高速度で
タイピングしていたと思う。



「うちは
船長に知り合えて嬉しいよ。」

「顔も見た事ないけど
すごく好き。」

「彼女の言い分が間違ってなくても
ムカついてしまうくらい。」

「確かに会っても居ないし
知らない部分の方がでかいけど」

「私は、船長が好き。」

「今
傷ついてないように振る舞って
本当はやっぱ辛かったり
淋しかったりすると思うし」

「腹も立つだろうし」

「それを
忘れるためにだけでもいいから
付き合いたいって
思うくらい。」

「会えなきゃ嫌なら
会いに行くし
会いに来て欲しいし。」

「写真見て
キモかったらもう
シカトでいいし」
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