幕末バレンタイン【企画短編】
「え……っ」
いきなりのことに、またドキドキと心臓が鳴る。
え……え⁉
「ど、どうしたの?山崎」
抱きしめられてるなんて、頭がついていかない。
「ほんと、お前はいつまでも変わんないな……」
「え……」
「美味かった。お前が作ってくれて、嬉しかった」
「……!ほんと⁉」
不安だらけだった胸の内は、急に花畑みたいになった。
一瞬抱きしめられていることも忘れてしまい、笑顔になる。
「えっとね……それ、未来のお菓子なの!私がずっと前までいた時代のなんだけどね」
「……」