幕末バレンタイン【企画短編】
「ふふ、はい。甘い物飲んでから仕事すれば、はかどるかなぁと思って」
そう言うと、土方さんはふっと笑った。
「仕事は……もういい」
「え……っ」
土方さんが今書いている文章、まだかなり途中だ。
みみずみたいに全部繋がっている文字は、読めるわけがないけど。
積み上げられている紙の量。
……もうこんなに頑張ったし、ゆっくり寝た方がいいのかな?
と、思っていたら。
「……っ!」
グッと腕を引かれ、土方さんの腕の中に収まる。
ドキンドキンと、心臓も跳ねて……。
「雅……」
「……?」
「この、ちょこれいとの飲み物……また飲みたい……」