幕末バレンタイン【企画短編】
「……ふふ、はい」
土方さんはやっぱり眠いのか、もごもごとした口調だ。
目も半分閉じていると思う。
「じゃあ、寝ましょうか。そろそろ」
「……」
何も答えないから、土方さんの腕から離れようとした。
だけど……
「このままがいい」
と言われ、またゆっくりと引き寄せられる。
そして、頭に土方さんの唇が押し当てられた柔らかい感触。
「雅、いい匂い……」
……!
かぁっと顔に熱が集まる。
その顔を見られなうようにと、土方さんの胸に顔を押し付けた。
「あ……あのっ」
「……」