嘘。


そんなことは常に思っている。

「はよー」

眠そうな目をこすりながら
お兄ちゃんが起きてきた。

「瞬、早いじゃない。」

お母さんが驚く。

『ほんと、早いね。』

私も驚く。

「早いね。じゃねえよ。
お前の部屋の目覚まし切ってねえだろ。
そのせいでうっさくて目ぇ覚めたんだよ。
隣の部屋ならあの音量は嫌でも聞こえんだよ、わかるか。」

『え、うそごめん』

温度差が激しいのは自分でも分かった。

「なんか、軽くね?
大切な大切な睡眠時間が。
俺の睡眠時間が。」

『うん、ごめん』

「絶対復習してやる」

『へー。』
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