リトライ。
頑張ってみようと思えた。
それは紛れもなく、彼のおかげだ。
「ありがと」
私は小さくつぶやいた。
それからはふたりでアイスを食べながら色んな話をした。
どうしてバスケ部に入ったのかとか、入部してどんな人間になりたいかとか、どんな技をしてみたいとか。
ほとんど陽介が話していたけれど、彼の話を聞いているのは楽しかった。
『そこでな、レッグスルーで相手を交わして……』
彼はバスケの話になるとさらにいききと話し出す。
本当にバスケが好きなんだなって思った。
だからこそ、私を見て声をかけてくれたんだもんね。
アイスを食べ終わりやがて棒だけになると、陽介は今度は真剣な顔して話し始めた。
「俺はさ、自分たちの代になったら、絶対にこのチームで全国制覇したいんだ。それで引退すんの、それって最高じゃね?」
「そうだね」
全国にたった1チームだけが勝って気持ちよく引退をすることが出来る。