リトライ。
私は少し残ると言って2階からしばらく試合を見ていた。
陽介のまっすぐな眼差しにドキンと胸が音を立てる。
相手がどんなに強くても、がたいがよくたって逃げたりしない。
中に切り込んでシュートに向かう姿勢がすごいと思った。
「見れば見るほどすごい人じゃん……」
本当に、陽介はなんで私なんかを必死に誘ってくれたんだろう。
ーーピ、ピー!
気づけば試合は終わっていた。
45-62でうちの学校の勝ち。
私は静かに拍手を送った。
それから下に行き、陽介の姿を探す。
すると頭にタオルを被った陽介が外で水を飲んでいるところを見つけた。
「陽介、お疲れ様」
「ああ”?」
私が声をかけると、かなり機嫌悪そうな顔でこっちを見る。