リトライ。


陽介と同じくらい汗をかいていたから一緒に試合に出ていたんだろう。


髪色は金髪に近く、少し長めでとてもバスケ部っぽくは見えない。


目つきも鋭いし、なんだか怖いな……。


そう思っていた時、その人は視線をこっちに向けた。


「へぇ、女連れてんのか」


じろじろとこっちを見てニヤリと笑う。

とっさに後ずさりした私の前に陽介が庇うように出た。


「そんなんじゃねぇよ」


それでもその彼はひょいっと陽介を交わしてこっちにくると、私の腕を取ってじろじろ眺め始めた。


「見たところバスケ部ぽいな」


嫌だ……。

触らないで。


知らない男に身体を触られ嫌悪感を覚えた時。


「触るな」


パシンと音を立てて、陽介がその男の手を振り払った。

そして陽介が睨みを利かせる。


ドキ、と私の胸が鳴った。



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