リトライ。
レギュラー争い、チームプレー。
自分が出るために周りと戦わなければいけないけれど、試合になれば協力をしなくてはいけない。
その両立はなかなか難しい。
私も一度、光ちゃんにあたっちゃったことがあったし……。
悔しい気持ちを抱えながら、それでも頑張れって応援するのは複雑な気持ちでいっぱいだ。
「あとは推薦のこととかもあったしな」
「推薦?」
「ああ、俺さこの学校……一応推薦で来てるんだ。
だからまぁ、なんでお前なんだって、引退してからはそういうので嫌がらせされたりとかもあったってわけ」
「そっか……」
「俺にも実力が無かったんだ……やっぱりお前だよなって言ってもらえる実力が」
陽介は力強く手を握りしめた。
どこにでもそういう世界ってあるんだ。
羨ましいという純粋な感情が妬みに変わって心を濁らせる。