リトライ。



だけど、陽介はモテる。


いつも色んな人から声をかけられていて、私はそれを見るたびになんだか心がもやもやした感情で埋めつくされた。

もやもやして気になって、めんどくさい感情に支配される。

そんな自分が嫌だった。


陽介はただの友達。

そうやって思えば、意識する回数は減った。


友達のようなこの関係が一番いい。


私にとってはそれが一番楽なんだ。


まるく心の中に押し込んだ気持ちは誰にも伝えていないーー。



放課後。

陽介と校門で待ち合わせをして、スポーツショップに向かった。


ふたりで歩いている時も陽介は楽しげにバスケの話をする。


「この間の大会は3Pを5本連続で決めたんだよ、そんで初得点王!すげぇ嬉しかった」

「得点王かぁ……すごいね」


それを聞いているのが楽しかった。








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