リトライ。


楽しそうにお茶らけて話す陽介。

でも時々私のことを心配してくれる。


「沙奈、バスケは楽しいか?」

「なに?突然」

「まあ、俺が半ば強引に誘ったようなものだからな。無理したりしてねぇかと思って」

「無理なんかしてないよ、バスケは楽しい。

でもまだ好きかどうかはハッキリ言えないかも……」

「そうだな、それは沙奈が引退した時に聞きてぇな」

「うん」


私が引退試合を終えて、陽介と向き合った時。

どんな答えが出ているんだろう。


笑っているのかな、
それとも泣いているのかな。

また向き合わずに逃げたりしてるのかな。


未来のことは分からない。


それでも私は今を全力で生きようと誓った。


あのまま逃げていた自分が陽介の言葉でもう一度向き合ったのだから、

何か変わっていると信じたい。





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