リトライ。
「いいなぁ、これ。履き心地も最高だし、これにするわ」
陽介は私の決めたものを履くと、気に入ってすぐにレジまで持っていった。
本当に私で良かったのかな。
すると、お会計を終えた陽介が私の頭をポンっと叩きながら言う。
「サンキューな」
真剣な表情と無邪気に笑う笑顔。
その表情を間近で見られることが特別だと思ってしまう。
「あ〜やっぱ好きだなあ」
「えっ?」
陽介の言葉を聞き返す。
「……っ」
こんな面と向かって褒められることは初めてだった。
かあっと赤くなる顔をどうしたらいいか分からなくなって、思わず手のひらで覆う。
すると陽介は意地悪に言った。
「照れてんの?」
「て、照れてないし!」
「顔、真っ赤だぞ」
「うるさい……!女たらし」
「俺が?」
陽介がきょとんとした顔でこっちを見る。