リトライ。
先輩の引退
七月下旬。
関東大会。
先輩たちの引退試合が始まり1カ月後。
「気をつけ、礼」
「ありがとう、ございました……っ」
関東大会4回戦目。
私たちの学校は破れた。
インターハイに出場することは出来なかった。
先輩たちが悔しそうに涙を流す中、私もぎゅっと手を握る。
この悔しさを忘れてはいけない。
全国の高校バスケ部のたった1校しかうれし涙を流せないんだ。
それがどれだけ厳しいことであるのか実感した。
来年自分たちの代になった時、後悔しないように
この1分1秒を無駄にしてはいけないんだと思った。
先輩たちが着替え終わると、私たちは外でコーチを囲み集合した。
良く晴れた日の青い空。
空気はとても澄んでいた。
「よく頑張りました」
今日は反省会はしなかった。