リトライ。
「ありがとう」
提出してすぐに背中を向けると、先生は私の名前を呼んだ。
「風川」
「はい、」
もう生徒の名前を覚えているんだ、なんて考えながら振り返ると先生は聞いてくる。
「お前、中学が松江中だよな……バスケ部だったんだろう?高校でもバスケはするのか?」
またバスケの話……。
「いえ、しません。高校では帰宅部にしようと思ってます」
「……そうか、残念だけど決めているなら仕方ないな。じゃあ明日の部活紹介だけは見ていってくれな」
「はい」
ほうっと息を吐く。
はっきりと入らないと伝えられたことに、なんとなくほっとした。
そっか。
明日は部活紹介が午後の時間にあるって言ってたな……。
「沙奈~、このプリント出したら帰っていいんだって!せっかくだし駅前でさ買物して帰らない?」
「あ、いいね!」
泉ちゃんの言葉に賛成して私はカバンを取りに戻ると、班の人達に挨拶を交わして教室から出た。