リトライ。
「3年間お疲れ様でした
ここで頑張って来たことは決して無駄になることはない。そう断言します」
コーチの言葉に3年生は再び涙を流した。
中学の引退試合。
引退した時に全てが無駄だったと決めつけた。
”そうじゃないんだ”
と力強く言うコーチの姿を見て、またそれに対して頷く先輩たちを見て、私はぽろと涙が零れた。
試合に出れた先輩たちだけじゃない。
ユニフォームを着て、ずっとベンチで応援していた先輩もいる。
全力をかけた試合。
例えそこにぶつけられなかったとしても、積み上げて来たことが無駄になることは無いんだ。
唇をかみしめて、視界がボヤていく中、しっかりと先輩たちを見た。
この背中を忘れぬよう、必ずその場所に追いつけるようにーー。
それから3日間は部活が休みになった。