リトライ。
「まずお昼だよね~お腹すいちゃった」
「私も」
校舎を出ると、お腹がぐう、と鳴る。
午前中で学校は終わったけれど緊張もしたせいかお腹がぺこぺこだった。
「沙奈何食べたい?」
「う~ん、パスタ食べたい!」
「いいね、行こう」
――ダン、ダン。
あっ……。
バスケットボールをつく音が響く。
校舎を出てすぐのところにはバスケットコートがあった。
これから部活をする上級生の人たちだろうか。
わいわいしながらバスケをして遊んでいた。
「よっしゃーゴール!お前の負けな」
「頼む、もう1戦。飯はこれやった後食おうぜ」
「仕方ねぇな」
――ダム、ダム、ダム
私はふいっと顔を逸らして、歩き出した。
後からバスケットボールをつく音が聞こえる。
懐かしい思い出は、耳の奥にこびりついて、離れない。