リトライ。




「そんなふうに思ってたのかよ」


「思ってたよ、どうせ陽介だって私のことそうやって思ってるんでしょ?

いつまで経っても弱いな、とか上手くならねぇなとかさ!」


私がやけになって放った言葉は陽介を悲し気な表情にさせた。


「っは……なんだよそれ、沙奈の思う俺ってそんなヤツなんだな」


はっと我に返っても、もう遅かった。

陽介はふいっと顔をそむけると、私に言った。


「見損なった」


そして陽介は私に背中を向ける。


「よ、陽介……」


名前を呼んでも返事は返してもらえなかった。


どんどん遠くなっていく彼の背中を見つめて、

静かな空間にひとり、ぽつりとたたずんだ。


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