リトライ。
翌日。
練習の後、私は陽介の練習が終わるのを校門で待っていた。
ドキドキと不安がいりまじり、何度も行ったり来たりして考える。
言わなきゃいけないこと。
しっかり言わなくちゃいけない。
すると、騒がしい声が聞こえきた。
終わったんだ。
私はぎゅっとバッグのとってを握りしめると、男バスの集団に視線を移した。
陽介は一番後ろの列にいる。
彼を見つけてすぐに名前を呼ぼうとした時。
「よ、う……」
「ウソ~じゃあさ、陽介。今度私と一緒に映画見に行こうよ」
ーードクン。
陽介の隣にはあの女の子がいた。
あの時陽介が真里と名前を呼んでいた人だ。
心臓が嫌な音をたてる。