リトライ。
出来ないことを嘆いている自分じゃなくて、
努力すれば出来るようになると信じられる自分になりたい。
もう何が起こってもその場から目を逸らしたくないんだ。
私の力強い瞳に陽介はふっと身体の力を抜いて言った。
「良かった」
笑いながら鼻をかき目を逸らす。
「もうバスケやめるって言われたらどうしようかと思った……」
「ふふ、言わないよ。私の方こそもう許してもらえないのかと思った」
「そんなわけねぇだろ」
「だって陽介、私のこと避けてるみたいだったし、怒ってるって思ってたから……」
「怒ってねぇよ。言い過ぎたって……ずっと教室で連呼してたんだからな」
私たちは顔を見合わせて笑った。
「そういえば、その試合はどうなったの?」
「ああ、勝ったよ!心を入れ替えられたからな……1点差の逆転勝利!」